[50]ICT教育をメリットとデメリットから安全性について考えよう

[50]ICT教育をメリットとデメリットから安全性について考えよう

学校教育において急速な広がりを見せるICT(Information and Communication Technology=情報通信技術)。ICTを駆使した教育は、児童・生徒の学習意欲や達成感を高め、知識や技術の習得に高い効果を得られることが明らかになっており、全国的な普及が促進されています。一方で、導入スピードの違いによる地域格差や機器メンテナンスの必要など、ICT教育のデメリットについての理解も欠かせません。ここでは、メリット・デメリットの両方を整理した上で、安全なICT教育について考える必要性を解説します。

ICT教育とは?

パソコンやタブレット端末、インターネット通信などによる情報通信技術を活用した教育手法を、「ICT教育」と呼びます。

学校においては、従来の黒板や教科書、参考ビデオを使った指導に加え、インターネットで公開される動画をプロジェクターに投影して視聴させたり、遠隔地の学校とネットワークを繋ぎ、児童・生徒との交流を図ったりするなど、さまざまな形で活用されるようになっています。また、文部科学省では、ICT教育を国家戦略の一つとして位置付け、ICTを活用した指導方法の開発や、ICT教育の推進を図るための環境整備を実施するとしています。

ICT教育のメリット

ICT教育の最大のメリットとしては、教育の効率化が挙げられます。従来の黒板や教科書を中心とした授業では、数学における複雑な図形や歴史などで物事の動きを説明する際、平面的あるいは一方向からの見方でしか捉えられませんでした。そのため、児童・生徒によっては理解に苦しんだり、関心が持てなかったりすることがあります。また、教職員の立場では、それらについて解説する際、板書や教材の準備に時間がかかり、負担がかかりやすいという課題がありました。

しかし、ICTを活用すれば、これらを効率良く解決できるとされています。例えば、インターネットに存在する教材用コンテンツを利用することで、教科書に掲載されている写真の拡大表示や関連する物事についても知るきっかけを作ることができます。また、文章と写真だけでは理解しづらい内容も、動画やインタラクティブなコンテンツを利用することで、児童・生徒にとって分かりやすい授業を行えるようになります。
教職員の立場では、授業によっては板書する必要が減り、教材の準備時間も削減できることが期待できるでしょう。

また、ICT教育を義務教育の早い段階から導入することで、児童・生徒自身がインターネット上から情報をどのように集め、どのように扱ったら良いかを正しく身につけるきっかけとなるなど、教育上のメリットも得られます。

ICT教育のデメリット

このように、ICT教育はさまざまなメリットを持つ一方、デメリットも存在します。

まず、ICT教育はデジタル機器・デジタルメディアを扱う教育手法となるため、児童・生徒の学習方法が従来とは大きく変化します。特に、インターネットを使った授業を行う場合、わからない問題につまずいたとしても、すぐに検索によって正解を得られるため、自身で考え、問題を解決する能力を伸ばすことが難しいと指摘されています。この他に、インターネットの情報で満足してしまうため読書量が減少することや、手書きをする機会の減少などがデメリットとして挙げられており、そのようなことが起こらないよう、ときには目的に応じた使い分けが必須です。

この他のデメリットとしては、ICT教育は程度によって差はあるものの、パソコンやタブレットなど機器類の調達・管理・運用に多額の費用を要するため、地域や学校によって整備状況に格差が生まれやすいと言われています。また、セキュリティ環境が整わないままにICT教育を導入すると、不正アクセスや情報漏洩などの重大な事故を引き起こす恐れがあります。

ICT教育で現場に求められることとは?

ICT教育を現場に導入する場合、機器やネットワークについても適切な管理が求められます。例えば、機器の故障やシステムの不具合、不正アクセスによる被害等を受けた場合は、迅速に対応できる職員の配置が不可欠となるでしょう。在籍する教職員での対応だけではなく、新たにそのようなスキルに長けた職員を雇用するかどうかなども検討するべきです。

また、個人情報などの重要データの保護については、日常のセキュリティを万全にするだけではなく、災害発生時などを想定してマニュアルを作成し、避難所でも各種情報を安全に活用できる環境を整備しておくことが重要です。

近年文部科学省でも推奨されているICT教育は、児童・生徒の学習効果を高める一方で、不正アクセスによる個人情報漏洩など、さまざまなリスクを伴うと指摘されています。ICT教育の環境を整備する際は、導入によるメリット・デメリットをよく検討し、教職員に対する指導についても考えた上で進めていくことが大切です。

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